コーレーグスの歴史 イメージ
1. 3月〜4月頃に種を水につけて発芽を待ちます。
2. 発芽した苗を土に植え付けます。周りに芝などを這わしておくと、枯れた芝が栄養になってくれます。
3. 5月ごろ葉がのびて開いてきます。ある程度背丈がのびてきたら、小型のプランターに移して、間引きをします。
4. 朝日の当たる日当たりのよい場所にプランターを置きましょう。そしたら、プランターで元気にぐんぐん背丈がのびていきます。
5. 50〜60cmの背丈になったら、もう一度土に植え替え、根付かせます。植え替えは、雨季に入る前がいいです。雨季の間に根っこが十分に土になじんでいきます。6月気温が高くなり、十分に雨が降ると、小さな5mm程度の白い花が咲きます。
6. 花が落ちたあとには、小さな実がついています。
7. つぎつぎと花が咲き、一枝に5〜6個の実がつきます。実は2週間程度で2cmほどの大きさに生長します。最初は緑色ですが、次第に黄色くなり、オレンジ色のグラデーションかかって、赤く熟した実になっていきます。緑色でも辛さは変わりませんが、見た目は赤く熟したもののほうが、きれいです。黄色くなったら収穫時期です。
8. 実の収穫は7月〜12月ころ、一株から4〜5sの収穫があります。1年で150cmくらいまで生長します。普通の唐辛子は1年株ですが、沖縄の場合、木化して5年ほど長生きします。
9. 冬になって気温が下がってくると、葉っぱが落ちて、枝の先端が枯れていきます。枯れた先端は切りおとしておけば、また翌年には葉が茂ってたくさんの実を付けてくれます。収穫が追いつかないほど実がなるので、自然に熟して落ちた実が土に根付いて、かってに芽を出すこともあります。

【栽培農家の話】

photo 国頭村奥でコーレーグスを生産している農家の話を伺いました。(奥の島田さん)5年くらい前に食品メーカーからトンクラスの生産を依頼されたのをきっかけに栽培を始め、現在は個人業者に卸しているそうです。

 最初の1年目に植えた株の周辺に、収穫漏れした種がかってに芽を出すので、翌年はその元気な苗を日当たりのいいところに植え替えて育てると、どんどん増えて株が増えていった。一度生長すると、沖縄では5年くらいは毎年実を付けてくれる。冬の間に枝が枯れてきたら、そこだけ切り落としてやると、来年もまた元気に青々とした葉を茂らせる。

 大きな木の下だと生長が悪いので、元気なものから環境のいい場所に移動してあげるといい。最初は芽が出てきても雑草にしか見えないので、間違えて引っこ抜いてしまうらしい。

 植物は毎年の気候の変化に敏感に反応するからおもしろい。冬に気温が下がりすぎると、葉が茂るのが遅くなったり、雨が降らないと花が咲くのが遅れたりする。花は気温が上がらないと咲かないので、長雨が続いてもなかなか開花しないという。

国頭村奥の島田さんの畠

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【当(アタイ)作物】

 コーレーグスは当作物だとよくいわれます。当(アタイ)とは、沖縄の言葉で屋敷内の裏手にある野菜畠のことです。今でいうガーデニング、家庭菜園みたいなものですね。

 昔は少し大きな屋敷には必ず当(アタイ)という、家庭菜園があって、日常的な食材は自給自足でまかなっていました。特に夏には葉野菜が不足気味になるので、栽培のしやすいヘチマ(ナーベラー)や苦瓜(ゴーヤー)はどの家でも植えていました。コーレーグスのような香辛料は、ほんの少ししか使わないけど、日常的に使用するので、常に庭の片隅に植わっていたといいます。一度植えたら5年は持ちますし、勝手に種から発芽して自生してくれるので、大変便利な食物だったといわれます。

 戦後は、酢や泡盛に漬けこんだ薬味としての使用が一般的になりましたが、戦前はそのまま実をすりつぶして汁物やスクガラス(小魚の塩辛)に入れたそうです。

【遊び】

 実は指で簡単に潰れるので、子供たちはこっそりとその汁を指につけて、友達のまぶたにぬって、いたずらしたそうです。「汁がまぶたに付くとものすごく痛いので、いたずらはしないほうがいいよ」という体験談を伺いました。(国頭村奥)

【薬用】

 目の薬になるということで、石工や大工は好んで食べたといわれます。
 ビタミンCが豊富で、辛味成分のカプサイシンは酸化防止効果があるので、塩辛などに加えると脂肪分の酸化を防いでくれる。暑い沖縄の気候に適した香辛料として愛用されてきたわけです。

【ワールドワイドな唐辛子】

 南米原産の唐辛子は、コロンブスの新大陸発見以来、ヨーロッパの船で世界各地に広がりました。その植物としての生命力と環境適応能力によって、各地に根付き、今では中国、韓国や東南アジア各地の民族料理に欠かせない香辛料として定着しています。

 韓国料理といえば、キムチが定番ですが、キムチに唐辛子が使われるようになったのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の後だといわれています。韓国では唐辛子は日本から伝来したことになっています。一方、日本の記録としては、江戸時代の貝原益軒が著した『大和事始』に高麗胡椒と記されており、朝鮮出兵の時に朝鮮半島から伝えられたとされていています。

 沖縄の歴史書『琉球国由来記』の「番椒」(コーレーグスのこと)の記述は、『大和事始』を参考に書かれていて参考になりません。

 結局のところ、その来歴や素性もよくわからないままに、各地に受け入れられ、独自に定着してしまうのが、唐辛子という植物なのかもしれません。
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